土地所有権の放棄制度創設の背景 制度の要件や創設の是非について

【土地の放棄】

土地所有権の放棄制度創設の背景

土地所有権の放棄制度


所有者がいない土地や、所有者はいるが利用されていない土地は現在日本全国に多くあるといわれています。
また、利用価値が無い土地を持つ方々にとっては、その土地にかかる固定資産税などが大きな負担となり得ます。
今回は、土地所有権の放棄制度創設の背景、制度の要件や創設の是非についてご説明します。

土地所有権の放棄制度の必要性

土地所有権の放棄の可否については、民法に規定がなく、また最高裁判所での判例も存在しません。
現状では、放棄された土地は国に帰属するのか、そもそも土地放棄が認められない、などさまざまな見解があります。
一方で、土地を所有することを望まない所有者も多くいます。
そのため、「土地を適切に管理できる帰属先への譲渡」の制度創設を検討する必要があるのです。

また、土地の所有にはそれなりに管理コストがかかります。
所有者が変更された場合、新たな所有者が管理コストを支払わなければならないため、そのことについて関係者同士で合意する必要があります。


国民の土地に関する意識

国民の土地の知識





令和2年に国土交通省が実施した「土地問題に関する国民の意識調査」によると、土地の所有については下記の結果となりました。





・ご自身もしくは配偶者が現在住んでいる土地のみを所有している割合        39.5%
・ご自身もしくは配偶者が現在住んでいる土地とそれ以外の土地を所有している割合  16.5%
・ご自身もしくは配偶者が現在住んでいない土地のみを所有している割合       1.7%
・土地を所有していない                             38.8%

自宅以外の土地の使用状況では、64.3%は何かしらの用途で利用しており、35.7%はただ所有しているだけの状態です。
35.7%の方がなぜ何の目的もなく、利用していないのかについての理由は50.7%が遺産として相続した、となっています。
その他の理由は21.4%が体力や後継者不足、12.1%が売却を検討したが条件が合わなかった、ということが原因とされています。
そのため、土地の所有そのものを負担に感じる方も多く、管理も行き届いていないことが多いです。


放棄後の土地の帰属先

放棄後の帰属先




元の所有者が放棄した土地は、どこに帰属するのでしょうか?
こちらでは、放棄後の土地の帰属先についてご説明します。




民法上、所有者のない不動産は国に帰属されます。
今後の課題として、所有権放棄の制度導入により、放棄された土地を人的・物理的にどのように整備するのかが問われます。

地方公共団体

自治体などの、地方公共団体が所有者と協議することで、土地を所有することもあります。
取得後の土地は、公園や河川、広場、水路の用地として利用されることがあります。

専門機関

所有者には負担に感じる土地でも、研究所などの専門機関にとっては大きな研究材料となる場合があります。
そのため、専門機関がその土地を譲り受ける、もしくは買い取ります。


おわりに

今回は、土地所有権の放棄制度創設の背景、制度の要件や創設の是非についてご説明しました。
土地を所有することを望まない所有者も多くいるため、土地所有権の放棄制度が必要になります。
そのため、「土地を適切に管理できる帰属先への譲渡」の制度創設を検討する必要があります。
制度が確立されていないため、放棄された土地は国に帰属するのか、そもそも土地放棄が認められないなど、さまざまな見解があります。

国土交通省の調査によると土地の所有者のうち、35.7%が土地を利用していませんでした。
土地の帰属先としては、国、地方公共団体、専門機関が考えられます。
いずれの場合も、正しく管理ができる帰属先である必要があります。
国全体の生産性を高めるため、また所有を望まない土地を放棄するために、制度の確立は今後必須項目であるといえます。

出典:国土交通省ウェブサイト (https://www.mlit.go.jp/

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2021年10月15日|コラムのカテゴリー:土地の放棄