原野商法から消費者を守る「特定商取引法」について解説

原野商法から消費者を守る「特定商取引法」

原野商法から消費者を守る


不動産売買に関するトラブルのなかには、価値が無い土地を値上がりするかのように伝えて契約させるような「原野商法」や、追加で土地を購入させられる「二次被害」などがあります。
これらを行う業者は、違法・悪質な勧誘を行い、消費者をだまして商品を販売します。
本記事では、原野商法から消費者を守る「特定商取引法」について解説します。

特定商取引法とは

特定商取引法とは、不動産売買などを行う業者による違法・悪質な取引を防止し、消費者を守る法律です。
クーリング・オフ制度も特定商取引法に含まれており、下記のように業者と消費者の間でトラブルが発生しやすい販売形態を対象としています。
 訪問勧誘
 通信販売
 電話勧誘
 連鎖販売取引
 特定継続的役務提供
 業務提供誘引販売取引
 訪問購入

原野商法や二次被害を引き起こす業者は訪問勧誘や電話勧誘を行うことが多く、消費者の間でトラブルになりやすいビジネス形態を取ります。
価値が無く、不要な土地を購入させられそうな消費者を守るために特定商取引法の範囲となることが多いです。

特定商取引法に抵触する原野商法の事例

特定商取引法に抵触する原野商法


下記、特定商取引法に抵触する原野商法の事例を一部ご紹介します。

電話でほかの土地の購入を迫られた

原野商法の二次被害に関する事例です。
以前購入した土地が原野商法によるもので、ある日電話で「ほかの土地を購入すれば、現在所有している土地と併せて高額で購入します」といった勧誘を受けました。
こちらの場合、特定商取引法の電話勧誘に該当するため、法律によって定められた書面を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフを適用することができます。

訪問勧誘で契約を締結する際に、説明が不十分だった

訪問販売で山間部の土地を購入させられた際、契約において重要な部分が説明されなかったり、ウソの説明をされたりすることがあります。
たとえば、売却額が異なっていたり、別の契約を締結させるものだったりするため、非常に悪質な手口であると言えます。
訪問勧誘における契約締結も特定商取引法の範囲となるため、被害に遭ってしまった場合は先述の通りクーリング・オフを行うことで解約することができます。

原野商法の常套句

原野商法の常套句


原野商法や二次被害を行う悪徳業者は、下記のような常套句を使って消費者を誘います。

高額で土地を買い取る

山間部など用途や土地としての価値が低く、売却先が見つからない土地は「負動産」と呼ばれます。
価値が低い負動産を高額で買い取るという業者は悪徳業者である可能性が高いため、注意しましょう。


お金はあとで返す

原野商法の手口の中には、先に消費者に土地を購入させ、その費用を後で返すといった常套句を使うことがあります。
こちらの場合、連絡が取れなくなったり、新たに土地を購入させられたりといった被害に遭う可能性があるため、怪しいと思った土地は購入しないようにしましょう。

宅地建物取引士の資格を取得している

原野商法を行う業者のなかには、宅地建物取引士の資格を取得している旨を消費者に伝え、信用を得ようとすることがあります。
宅地建物取引士の仕事には物件に関する正しい情報を消費者に伝えることも含まれているため、価値が無い土地を価値があるように伝える行為は詐欺に当たります。
そのため、宅地建物取引士の資格を取得していても安易に信用しないようにしましょう。

おわりに

本記事では、原野商法から消費者を守る「特定商取引法」について解説しました。
特定商取引法は訪問販売や通信販売を行う業者による違法・悪質な取引を防止し、消費者を守る法律です。
高額で土地を買い取る、お金はあとで返す、宅地建物取引士の資格を取得しているといった常套句を使い、原野商法を行う業者はうかつに信用せず、自身の利益を守りましょう。

参考ページ:特定商取引法ガイド(https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/

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2022年11月07日|コラム:原野商法について